2012年3月31日土曜日

ビールカップ6

土作りから始まり、成形、削り、乾燥。ワラを巻いたり、焼き台に仕込んだうつわが無事焼きあがりました。

備前はビールと本当に相性が良いです。泡が良く出るっていいますよね。ホントにそうですか!?

それはどうぞ試してくださいネ。


私の備前は、とにかくしっかり焼き締めるようにしています。なまくらな焼きは一見雰囲気があるように見えて、焼けに深みがなく曖昧、ザラザラしてなんだか気に入りません。それに割れ易いです。

お二人の門出の記念品です。簡単に割れるわけにはいきません!しっかり焼き締めて、ビシッと完結したうつわを求めて、焼きまくりました!


尚、備前焼なので当然釉薬は一切使っていません。土と炎、そして思いを込めてこんな焼き上がりになりました。引出物を受け取って下さった皆様、どうぞ末永くご愛用いただければ幸甚に存じます。




ビールカップ5

今回は、緋襷とサンギリのペアなので、サンギリも焼成します。

こちらは、ワラを巻き上げて焼くわけではありません。薪の炎や灰、炭のように残った薪がうつわに変化を出します。焼締め陶ならではの景色を楽しんでほしいです。

しかしまぁ熱いのなんのって!汗だくでデトックス効果抜群。これで身体中の悪いもんが出ただろうな。。








2012年3月28日水曜日

ビールカップ4

緋襷(ひだすき)

今回の焼き上がりのオーダーは、緋襷とサンギリのペアです。

緋襷は、緋色のラインが襷(タスキ)のように見える焼き上がりです。

これは、備前技法の一つですが藁(ワラ)を器に巻いて焼成します。



なぜ、藁が緋色に変化するのでしょう。。

倉敷芸術科学大学の草野先生にお会いして、化学的に教えて頂きました。


備前焼の粘土には鉄分が他の粘土より多く含まれており、稲わらにはカリウムが多く含まれています。 これらを焼きますと、粘土の表層部と稲ワラのカリウムが反応して、液相(冷すとガラスになる)が生成します。 粘土の鉄分はこの液相中に溶けています。

高温下でコランダム(酸化アルミニュウムの一つ)が液相中に生成し、
冷却過程で、このコランダムの周りにヘマタイト(酸化鉄の一つ)が析出し緋襷になります。

ちなみに、液相中に生成するコランダムですが、通常、コランダムは粒状の物質ですが、緋襷模様中では板状になります。これも特徴の一つです。

と教えて下さいました。大変に勉強になりました草野先生!ありがとうございました!


しかし、ちゃんと化学の勉強しておけば良かったと何度め?の反省をしました。少しずつでも勉強しなきゃ!

ビールカップ3

順調に乾燥したら、削りって仕上げます。

半分から下を削ってより良い持ち易さと、存在感のあるデザインにしました。

備前焼には薄くて繊細なカタチより、少し変化のあるツチモノらしい表現が合うように思います。



このまま完全乾燥を待ちます。。

ビールカップ2

ひとまず150個作りました。




ビールカップ1

長年お付き合いさせて頂いてる親友から、引出物ビアカップ×2をご注文頂きました。

お二人の幸せを心よりお祈りすると共に、ステキな門出を祝うべく、私もねじり鉢巻きでがんばらねば!

まずは、ろくろ開始です。450gの粘土でくるくると。。




少しくびれた持ちやすいデザインと、飲み易いように口辺を薄く反り返しました。

2012年3月14日水曜日

浅口市金光町の発掘調査報告3(奈良井遺跡)

雨の中でしたが、傘も合羽もなしで調査報告して下さってありがとうございました。

穴の深さがこんなにもあります。建物の柱が刺さっていたのかも?(調査員談)

きっちりした造りです。

ローカル放送局も取材に来られてました。


貴重な報告会でしたし、発掘品を触れたのも嬉しかったぁ。これらの須恵器の延長に備前焼があると思うと感慨深かったです。それに、どれもカタチが素直で気持ちいいです。当時の陶工も美しさを求めていたんですね。

(完)

浅口市金光町の発掘調査報告2(奈良井遺跡)

で、須恵器がこれらです。なかなか素敵なカタチや装飾ですが、何より驚いたのが薄さです。
確かに、須恵器が作られる頃にはロクロや穴窯(のようなもの)が大陸から伝わって来ていたそうですが、にしても確かな技術です。それに、これだけ薄く作れる上質な土があったという事になります。ちなみに、2枚目写真の断面(薄い辺り)が約4mm。

高杯(たかつき)

フタモノの下側

壷の口元

高杯


2012年3月13日火曜日

浅口市金光町の発掘調査報告1(奈良井遺跡)

先日3月9日、自宅から車で10分程度の場所で発掘調査で出土した須恵器などが一般公開&報告会がおこなわれました。それをワクワクと見聞しに行った報告です。

岡山県浅口市金光町佐方(サガタ)付近で、国道整備中に出土したものが沢山展示してありました。室内には、まだ未整理の発掘品が山のようにあります。仕事がなければ手伝いたい気分です。

どうも須恵器が多いようですが、弥生土器がありました。右下の陶片に丸ポチの装飾があり、これが弥生土器の特徴なそうです(専門員談)


で、これが窯にくっついた陶片。つまりこれで、ここで焼いていた証明になるそうです。確かに古墳に失敗したものは入れないですもんね。


日本の地名で、陶(すえ)や須恵(すえ)は古来焼物の産地だったことは知っていましたが、ここも金光町須恵ですから妙に説得力あります。



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2012年3月2日金曜日

陶房近景


瀬戸内海の夕暮れ

2010/09/20 shot

陶房近景

毎年秋にはイイダコが良く釣れます。地元のおっちゃんは、手漕ぎのテンマ船で出掛けていきます。左手で魯を漕ぎながら右手で竿を振ります。それはもう神業なわけです!

イイダコは、イイ→ご飯。2月ごろになると、タコは米粒のような卵で頭(頭ではないけど)いっぱいになります。これが美味なんですよ!

とりあえず、タコポーズ決まりました!!




陶房近景



2009/07/18 shot

陶房近景

倉敷玉島の陶房風景です。仕事場は瀬戸内海と三方を山に囲まれた、静かで穏やかな場所にあります。

夏のシーズンは海水浴。秋は魚釣りで賑わいます。




2009/07/18 shot

ブログを始めました。

今頃になってやっとブログを開始することにしました。少しずつ更新したいと思います。