2012年3月28日水曜日

ビールカップ4

緋襷(ひだすき)

今回の焼き上がりのオーダーは、緋襷とサンギリのペアです。

緋襷は、緋色のラインが襷(タスキ)のように見える焼き上がりです。

これは、備前技法の一つですが藁(ワラ)を器に巻いて焼成します。



なぜ、藁が緋色に変化するのでしょう。。

倉敷芸術科学大学の草野先生にお会いして、化学的に教えて頂きました。


備前焼の粘土には鉄分が他の粘土より多く含まれており、稲わらにはカリウムが多く含まれています。 これらを焼きますと、粘土の表層部と稲ワラのカリウムが反応して、液相(冷すとガラスになる)が生成します。 粘土の鉄分はこの液相中に溶けています。

高温下でコランダム(酸化アルミニュウムの一つ)が液相中に生成し、
冷却過程で、このコランダムの周りにヘマタイト(酸化鉄の一つ)が析出し緋襷になります。

ちなみに、液相中に生成するコランダムですが、通常、コランダムは粒状の物質ですが、緋襷模様中では板状になります。これも特徴の一つです。

と教えて下さいました。大変に勉強になりました草野先生!ありがとうございました!


しかし、ちゃんと化学の勉強しておけば良かったと何度め?の反省をしました。少しずつでも勉強しなきゃ!